コンビニジムの需要
最近、低価格で「普段着でも行ける」と謳った気軽なジム、いわゆるコンビニジムが流行っているらしい。
タイパという言葉が広く使われる時代に、普段着でいつでも行けるというコンセプトは、なるほど合致しまくっている。
普通のジムって、やれ着替えだなんだとちょっと手間のかかるイメージが確かにあるし。
で。
そういった利便性の高い部分ともうひとつ評価されているところがあるらしい。
それが『他の利用者がやる気がなく、休憩ばかりしているところ』だそうな。
なんでも、意識の高い人が視界に入るとそれだけでげっそりしてしまうという人が結構居るらしい。
だから、自分と同じくらいのテンションで、なんとなーく、ゆるーく運動しているのか休憩しているのか分からないくらいの人の方が落ち着く…ということだそうな。
えっ!そうなの!?
これらは、私の思考の中にない価値観だったので本気でびっくりした。
私がまだ病気でもなく無職でもなかった頃にジムに通っていたけれど、まわりの人たちがもくもくと鍛えているのに励まされていたし、すっきりとした肉体美を持っている人たちは憧れだった。
だらだらしている人は、私が通っていたジムでは見たことが無かったけど、そんな人が大半だと元来怠け者な私は影響を受けてサボってしまいそうだ。
そう考えると、まわりがみんなゆるーい感じでも運動を習慣にできる人はすごいと思う。
ついでに、運動そんなに好きじゃないし、頑張ってる人を見ると疲れるとまで思っている人たちが大勢ジムに行く時代なんだな、とも思った。
いろんな場面で身軽な選択肢が増えていて、昭和から生きてる化石からすると、令和は随分と風通しのいい時代だ。
あと、その記事では「ジムに行く人は、筋トレが好きなんじゃなくて痩せたいだけで、できるなら筋トレはしたくないと思っている人が大半」とも言っていた。
えっ!そそそうなの!?
筋トレにハマって、宅トレの負荷では物足りずジムに行きだした私は少数派だったようだ。
でも…楽しくないですか、筋トレ。
筋肉痛になると…嬉しいじゃないですか。ねぇ?
ウエストも平たくなって肩こりも解消されて姿勢までよくなるんですよ…?
記事を見て、動揺しながらパートナーに聞いてみたら、さも当然の顔で「筋トレは楽しくないよ」と首を横に振られた。
多様性の時代を生きている意識はあったはずなのに、やはりまだまだ自分の価値観で生きているということを思い知らされることがある。
はー、なるほどなーと思うこの感覚は嫌いではない。
新しい価値観に触れるのは何歳になっても刺激的で楽しい。
むしろ、30を超えると自分の中の凝り固まった価値観にはない、違う形の価値観に触れることが多くなったという実感がある。
そこに触れた時に「はー、なるほどなー」と思える感性は無くしたくない。
否定も肯定もせず、まずは受け止める。
それが大人の柔らかさなんじゃないだろうか。